政界からのコメントや、メディアの報道は否定的なものに偏っていますが、さて一体どんな内容なのかと思って読んでみました。論文自体は全9ページと短いものです。
結論から言えば田母神元空将の言わんとする事は正しいと思いました。特に論文の最後で述べられている田母神元空将のメッセージは至って健全であり、また多くの人に読んでもらいたいものです。
とはいえこの文章は「論文」というカテゴリーからは全く外れたものであることは否定できません。論文というからには自身の論拠となる資料は明確にし、また関連した研究との位置付けも正しく示さねばなりません。また自身の主張が従来のものとどこが違うのかという点も明確に示す必要があります。また、その他多くの点でこの文章は論文の体裁をなしていません。
従ってこれは田母神元空将のエッセイと見るべきで、そこで述べられている歴史的な事実の真偽を議論することは殆ど無意味です。
しかし、田母神元空将が本当に言いたかったことはそんな歴史的な事件の真偽では無かったと私は感じます。もちろん正しい歴史を明らかにする事は重要ですし、この文章全体の構成は正しい歴史的実像を明らかにする事によって氏の主張を正統化するという構成になっています。そして彼が正しい主張する歴史的事実の論証は全く不完全です。しかし、それは田母神元空将が訴えたかったことを否定するものではありません。
メディア報道では論文の一文である
『我が国が侵略国家だったなどというのは正に濡れ衣である。』
という部分ばかり取り上げていますが、実際、これを主張する論拠は不完全です。だからと言って田母神元空将の言いたかった事までが否定される訳ではないと思うのです。
田母神元空将は最後で述べています。
『日本というのは古い歴史と優れた伝統を持つ素晴らしい国なのだ。私たちは日本人として我が国の歴史について誇りを持たなければならない。
人は特別な思想を注入されない限りは自分の生まれた故郷や自
分の生まれた国を自然に愛するものである。
日本の場合は歴史的事実を丹念に見ていくだけでこの国が実施してきたことが素晴らしいことであることがわかる。嘘やねつ造は全く必要がない。
個別事象に目を向ければ悪行と言われるものもあるだろう。それは現在の先進国の中でも暴行や殺人が起こるのと同じことである。
私たちは輝かしい日本の歴史を取り戻さなければならない。歴史を抹殺された国家は衰退の一途を辿るのみである。』
私は「人は特別な思想を注入されない限りは自分の生まれた故郷や自
分の生まれた国を自然に愛するものである。」という一文に非常に共感を覚えました。少し前「愛国心」というものが話題になったことがありました。この言葉に拒絶感を覚える人々も少なくはないと思いますが、それはこの言葉に思想の影を感じてしまうからだと思います。私も所謂「思想」的なものは好きではありません。
しかし我々は小さくは遊び友達の一団や趣味のサークル、中程度では会社や所属組織、大きくは在住の地域や県の一員である事に、時に喜びや安らぎを感じます。最近の東国原知事の宮崎おこしは有名です。そして宮崎県民の方の多くは、自身が愛する宮崎の事を、東国原知事が宮崎県民であることを誇れるようもりたててくれた事を喜んでいるはずです。宮崎は素晴しい、そう自身に感じさせてくれるリーダーだからこそ、県民の方は東国原知事を支持しているのでしょう。
国だって同じです。海外の方と接すると、大抵はみな自身の国に誇りを持っており、自分の国を愛しています。
日本の戦後のリーダーで日本人である事を誇りに感じさせてくれる行動をとった人はいません。一人として。そしてその逆の事ばかりしてきました。その核が戦争と軍隊です。歴史を正しく知ることは重要です。責任があれば責任をとるのも大事です。一方、責任をキチンと果たすと決めたなら、堂々と胸を張って前に進むのが健全な在り方でしょう。日本は国として「戦時中の責任を果たさない」と宣言したことはありません。過ちがあったならそれを見つめ、認めようとする勇気がありました。また、広くは知られていなくても、日本が世界に対してしている貢献は沢山あります。
田母神元空将は「我が国の歴史について誇りを持たねばならない」と言っていますが、要は日本人みんなが日本が好きなことを気兼ねなく、むしろ喜びをもって感じられることを願っているのだと思います。そしてそれこそが人々の健全な在り方であると。
I am Japanese!
そう外国人に述べるとき、貴方は何を思うでしょうか。
田母神元空将の論文はココからダウンロード可能↓↓
http://www.apa.co.jp/book_report/images/2008jyusyou_saiyuusyu.pdf
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